メニエール病

内耳(聴覚や平衡感覚に関わる部分)の障害を原因として、片側の耳鳴り・難聴・めまいが発作的に反復する状態です。
めまいを訴える疾患の5%程といわれ、女性に多く、発症年齢は30歳代後半~40歳代前半に多いといわれています。

原因は、内耳部分のリンパ液が過剰になり、膜迷路(聴覚や平衡感覚を管理するところ)が膨張する『内リンパ水腫』とされています。
内耳の循環障害、感染後、外傷後、自己免疫疾患などで見られるようです。
また、ストレス・不眠・疲労によるストレス病の一種ともいわれています。

症状

発作的かつ突発的に起こる回転性の激しいめまいが、数分~数時間持続。
吐き気・嘔吐、冷汗、呼吸の乱れなどの自律神経症状を伴う。
低音域の耳鳴りのほか、耳の閉塞感・音が響く・割れて聞こえるなどの聴覚症状が見られる。
一般的に症状は片側のみで、両側性はまれ。

良性発作性頭位めまい症

頭を動かしたときに、急激に回転性めまいが生じるものです。

半規管(回転する方向と速さを感知するところ)に混入した耳石(縦や横の直線運動を感知するためのもの)が、リンパ液より遅れて移動することでリンパ液にさらなる流れを作り出してしまい、半規管からの情報と実際の動きとの間の不調和によりめまいが生じます。

症状

頭を動かしたときに起こる回転性のめまい。
数秒から数十秒ほどの安静で鎮静化する。
しばしば吐き気・嘔吐などの自律神経症状を伴う。
耳鳴り・難聴や、食べ物などを飲み込みにくいなどの症状はない。

突発性難聴

明らかな原因もなく突然発症する難聴です。

症状

突然の難聴。
耳鳴り、めまい、吐き気・嘔吐。
一般的に症状は片側のみで、両側性はまれ。

聴神経鞘腫

内耳神経(聴覚と平衡感覚を管理する神経)に好発する頭蓋内の良性腫瘍です。
40歳~60歳代で、女性にやや多いといわれています。
手術による摘出が必要です。

症状

初期はめまいなどの症状は少ない。
腫瘍の発育により耳鳴り・難聴などの症状が見られる。
腫瘍が三叉・顔面神経を圧迫すると、多くの神経症状が出現する。
めまいなどの症状や、箸の使用や書字などの細かい動きがしにくいといった症状(小脳症状)も出現する。
さらに巨大化すると、第4脳室を閉塞し、水頭症や頭痛や嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状が見られる。
生命維持に重要な脳幹が圧迫されると、意識障害や死亡することもある。

中耳炎

中耳腔粘膜の炎症です。
急性・慢性・滲出性などがありますが、一般的には急性中耳炎を指します。

感染により起こり、細菌感染(インフルエンザ菌、肺炎球菌、溶連菌など)が多いといわれています。※ウィルス感染もあります。
病原体の混じった空気が鼻から入り、耳と鼻をつなぐ耳管を通じて感染することがほとんどで、成長途中のため耳管の距離が短い・内腔が広いなどの理由により、幼児や小児に多いです。

症状

耳が詰まったような不快感、耳痛、発熱、耳鳴り、難聴、耳漏など。

耳管狭窄症

耳管は唾などを飲み込んだ時やあくびなどで開きますが、耳管炎など何らかの原因により開く機能が障害されると発症します。

症状

耳が詰まったような不快感、自分の声が大きく聞こえる、耳鳴り、難聴。